プリオケ第40話は、シリーズの根幹に関わる設定が一気に明かされる、いわば「答え合わせ」の回でした。
先代プリンセスの真実といった情報自体は衝撃的である一方、物語的には予想の範囲内に収まるものでもあります。
それよりも強く印象に残ったのは、その事実を誰がどう受け止め、どこまで引き受けようとしていたのかという点でした。
とりわけ、白の女王とプリンセスたちのあいだにある「未来への向き合い方」の差は、これまで曖昧にされてきた作品構造をくっきりと浮かび上がらせます。
第40話は、シリーズ最大級の設定開示回であると同時に、プリンセッション・オーケストラという物語が、これから「未来」という問いにどう答えるつもりなのか、その輪郭がようやく見えてきた回だったように思います。
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白の女王だけが「未来」を見ていた
第40話では、白の女王の口から、この世界に関する重要な設定が一気に語られました。
それらは物語の謎を解くための「答え合わせ」であると同時に、プリンセッション・オーケストラという作品が、これまでどこに視線を向け、どこを見てこなかったのかを浮き彫りにする情報でもありました。
特に印象的だったのは、「未来」という概念を、実質的に白の女王ひとりが背負っていた点です。
白の女王が語った「衝撃の事実」
40話で白の女王が明かした内容を整理すると、以下のようになります。
まず、白と赤の女王の正体は、かつてアリスピアを守って命を落とした先代プリンセスの想いと、ミューチカラが融合して生まれた存在でした。
彼女たちは先代プリンセス自身というより、「アリスピアを守りたい」という意志が具現化した存在に近いと言えます。
さらに白の女王は、未来予知の力を持ち、アリスピアにはいずれ災いが訪れ、世界が崩壊する可能性が高いことを知っていました。
その災いは、先代プリンセスが命と引き換えに「押し戻した」ものと同一だと推測されます。
つまり白の女王は、
- 世界の終わりを知っており
- それを回避するために動き続け
- 約定を守りながら、破滅を先延ばしにしてきた存在
という立場に置かれているキャラクターです。
「未来に責任を負おうとしている」唯一の存在
ここで注目したいのは、白の女王の行動原理です。
彼女は一貫して、「楽しい今」ではなく、「必ず来る未来」を基準に行動しています。
アリスピアが崩壊する未来を知っているからこそ、その未来を少しでも先送りするために、強硬な手段も辞さない。
理解されなくても構わないし、悪役と呼ばれても構わない。
それでも約定を守り続け、世界を延命させようとしている。
その姿は、物語上の役割としては「敵」でありながら、構造的にはむしろ、「未来を知り、その未来に責任を負おうとしているキャラクター」になっています。
少なくとも40話時点では、世界の行く末を具体的に把握し、それに対して何らかの形で「引き受けよう」としているのは、白の女王ただひとりなのです。
誰がこの世界を「本気で引き受けているのか」
この構図は、物語として見るとかなり歪です。
主人公であるプリンセスたちは、災いの存在を知り、アリスピアの危機も聞かされ、世界が崩壊する可能性も提示されているにもかかわらず、それに対して明確な態度や方針をまだ示していません。
一方で白の女王だけが、世界の未来を語り、世界の存続を前提に動き、そのために自分が憎まれる役を引き受けている。という位置に立っています。
結果として40話は「悪役であるはずの白の女王のほうが、物語的にはもっとも誠実に世界を背負っている」という、かなり皮肉な構図を浮かび上がらせる回になっていました。
プリンセスたちは「今」しか語らない
白の女王が語ったのは、過去の犠牲と未来の災いでした。
それに対してプリンセスたちは、何をどう受け止め、どこへ向かおうとしたのか。
40話では、両者の「未来への姿勢」の差がはっきりと浮かび上がります。
白の女王は「未来を理由に行動している」
白の女王は、40話で多くの事実を語ります。
先代プリンセスが命を落としたこと。
未来を予知する力を持っていること。
そして、アリスピアには再び災いが訪れるということ。
彼女の行動原理は一貫しています。未来に起こる破滅を知っているからこそ、今を犠牲にしてでもそれを防ごうとする。
その選択が正しいかどうかは別として、少なくとも白の女王は「未来を引き受けている側」のキャラクターです。
プリンセス側の反応は「今の感情」への回収に留まる
それに対するリップルの反応は、非常に象徴的でした。
なのに、どうしてあなたはアリスピアに悲しい思いを増やしてるの!?
引用元:『プリンセッション・オーケストラ』第40話
この言葉が向いているのは、未来ではありません。
あくまで「今、ここで悲しい思いをしている人がいる」という現在の感情です。
目の前の悲劇に胸を痛め、阻止しようとすること自体はごく自然なことです。
しかし、白の女王が語った「未来の災い」に対して、プリンセスたちは代替案を提示しません。
どうやって災いを防ぐのか、どんな未来を目指すのか、具体的な構想は語られないままです。
その姿勢は、24話で赤の女王と対峙した時からなにも変わっていません。
「未来は変えられる」は語られたが、引き受けられてはいない
40話のラストで、リップルは確かにこうした趣旨のことを語り、歌います。
「未来は変えられるはず」「決まりきった未来なんてない」、と。
ただしその根拠は、白の女王の未来予知が完全ではなかったこと、女王自身も未来を変えようとして行動していたことの2点であり、プリンセスたち自身の成功体験ではありません。
つまりこれは、「私たちがこういう未来を選ぶ」という宣言ではなく、「あなたの予知は絶対ではない」という反論に近いものです。
未来を否定はしても、未来を設計してはいない。
この時点で、プリンセスたちはまだ「未来を語る主体」にはなれていません。
「未来なんて決まっていない」という言葉の空虚さ
40話の終盤、リップルは「決まりきった未来なんてない」と歌います。
このことばは、物語のクライマックスに向かう局面で語られる、いかにも希望的な言葉です。
しかしその響きとは裏腹に、この言葉はどこか地に足がついていない印象を残しました。
否定されているのは「未来」ではなく「具体性」
このことばが空虚に聞こえる最大の理由は、「では、どんな未来を目指すのか」が一切語られていない点にあります。
白の女王は、少なくとも以下の点については明確でした。
- アリスピアはいずれ崩壊する
- その引き金となる災いが存在する
- それを防ぐために、今の犠牲を選んでいる
一方でプリンセスたちは、その未来予測を否定はしますが、「それならどうするのか」という次の一手を示しません。
つまりここで行われているのは、未来そのものへの反論ではなく、未来について考えることからの撤退です。
プリンセスは未来を否定するが、別の未来を提示しない
プリンセスたちは、白の女王の未来視を否定します。
「悲しい思いを増やしている」「そんなやり方は間違っている」と。
しかし、
- 災いをどう防ぐのか
- アリスピアをどう存続させるのか
- 女王に代わる選択肢は何なのか
といった課題には、一切答えていません。
否定はしている。でも代替案は出していない。
その結果、プリンセス側の「未来」は、具体的なビジョンを持たないまま、ただ「今より悪くならなければいい」という水準に留まっています。
それは、24話で赤の女王が語る「アリスピアの繁栄」を否定したこと、そして、40話でも「アリスピアは平和だった(から白の女王の語る滅びの未来なんて分からない)」と言い放ったことからも読み取れます。
実際に未来を動かしてきたのは、女王たちだった
さらに皮肉なのは、作中で実際に未来を変化させてきたのは、プリンセスたちではなく女王側であるという点です。
- 赤の女王が行動を起こしたことで、新たなプリンセスが誕生した
- プリンセスたちが成長できたのも、女王が敷いたレールの上だった
- その構造の発端自体が白の女王の未来予知
つまり、「未来は変えられる」という状況そのものを作り出したのは、皮肉にもプリンセスたちが否定している女王側なのです。
プリンセスたちは、その結果として得られた現在に立って「未来は決まっていない」と言っているに過ぎません。
語られなかったのは、未来ではなく「引き受ける覚悟」
この章で浮かび上がるのは、プリンセスたちが未来を否定しているわけではない、という事実です。
彼女たちはただ、未来を具体的に語り、それに責任を持つ段階に至っていないのです。
だからこそ、「未来なんて決まっていない」という言葉は、希望ではなく、空疎なものになってしまいます。
プリンセスたちは、この先「未来を変えたい」と言うだけでなく、「どんな未来を選び、その責任を引き受けるのか」を語ることができるのでしょうか。
まとめ|それでも、この物語は誰が未来を引き受けるのか
第40話で明かされた設定は、謎解きというよりも、物語の構造をはっきりと露呈させるものでした。
未来を知り、その破滅に対して具体的な行動原理を持っていたのは、終始一貫して白の女王の側です。
一方でプリンセスたちは、「決まった未来なんてない」と語りながらも、どんな未来を目指すのか、そこに自分たちがどんな責任を負うのかについては、最後まで言葉にしませんでした。
結果として浮き彫りになったのは、未来を語り続けていたのは敵側であり、主人公側は現在の感情にとどまり続けていたという逆転した構図です。
白の女王は嫌われる役を引き受け、悪になることを選び続けていました。
たとえ我々視聴者の感情が彼女へ傾いたとしても、裏切りではなく、ごく自然な流れだったのだと思います。
だからこそ、41話には一縷の期待を抱いてしまいます。
白の女王を倒すだけではなく、その先の世界に対して、プリンセスたち自身の口から「それでも私たちはこの未来を引き受ける」と語られることを。
……正直、24話のように倒してめでたしめでたし、で終わる可能性も高いですが、それでもなお、最後くらいは「今が楽しい」だけではない言葉を聞かせてほしいと願ってしまうのです。
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