「インディペンデンツの責任は、インディペンデンツが取る」
「ホーム」を飛び出したヴァッシュの耳にプラントの声が届く。
踏み入れた施設の中でヴァッシュが目の当たりにしたのは、命を搾り取られたプラントたちと、怒りに震える双子の兄・ナイヴズの姿だった。
凶刃を振るい、容易く人を殺す兄を目の当たりにしたヴァッシュは立ち竦む。
というわけで、『TRIGUN STAMPEDE』第9話「Millions Knives」の感想です。
- 原作は終盤のみ読んでいる
- 旧アニメはリアルタイムで見たり見なかったり
- 大まかな設定やヴァッシュの正体などは把握
- 細部は全然知らない
という中途半端な人間が執筆しております。
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『TRIGUN STAMPEDE』#09 Millions Knives 感想
#09 Millions Knives
放送日 3月4日
絵コンテ 錦織博
演出 錦織博
池田純矢さんの演技最高か(語彙消失)。
8話の終盤で、ヴァッシュが夢から覚めて、そこからまた回想に入る、という演出がされていました。
9話を見たら演出意図が理解できるかな、と思っていたのですが、分かりませんでした!
夢から覚めるとそこは「ホーム」だった。義手をじっと見つめていると、老いたブラドがやってきて――
と8話でまとめてしまっても問題なかったような? 前振りとしても必要性が薄いし……尺稼ぎ?
第9話の感想は、以下の二つに分けて記述しました。
魔女と銃
第8話で(必要性の薄い)前振りがあったとおり、今回はヴァッシュが腕を失った理由が描かれました。
ナイヴズの歪んだ愛情の末……などではなく、ヴァッシュの力の暴走(?)を止めるため、という至極真っ当な行為でした。
腕に発生した極小のブラックホール(?)が死体やらなにやらを吸い込みまくり、最終的に切断された腕自体も吸い込んで消えた。
という流れは、確かにインパクトがありましたが、もっとクソデカ感情面でドラマティックなものを期待していたので、少々肩透かしを食らいました。
第3話の感想で、『スター・ウォーズ』の考察記事を引用して「ナイヴズがヴァッシュの腕を切断したのは去勢行為」と書いたのですが、全然違うやん!
ヴァッシュに銃を渡したり、ルイーダ(レム)を「魔女」と罵ったり……。
これむしろナイヴズが「弟は魔女に去勢された!」って思ってるよね!?
銃なんて典型的なファルスの象徴じゃないですか!
そして魔女はグレートマザー、すなわち豊穣と死を司る地母神です。
プリュギアで信仰されていた地母神・キュベレー(ガンダムじゃない)の熱心な信奉者は、去勢した男性だったそうですよ。
より人間らしいのは
食事や睡眠が必要で、プラントとしての生産能力を持たない。という点においては、ヴァッシュはナイヴズよりも人間に近いと言えます。
しかし、精神面ではどうでしょう。
今回9話を見て、精神面ではナイヴズのほうが感受性が強く人間に近いのでは、と思いました。
プラントの命を使い捨てる人間に向ける憎悪は、人間の目から見ても至極真っ当なものです。
むしろ「プラントは人間が管理しなきゃ生きていけない」と言っちゃうヴァッシュのほうが人としてどうなんだ。
いや事実なんでしょうけど、そのタイミングでそれ言っちゃう?
「ラスト・ラン」を目の当たりにしていないとはいえ、プラントたちの悲鳴と、ナイヴズやモブ人間の言動で、なにがあったか大体の察しはつくでしょう。
それでですよ、そのうえでそのタイミングでそれ言っちゃう? やっぱり常人とは感覚がなにかずれていますね。
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