第8話「プリンセッション」では、これまで個々に戦っていたプリンセスたちが、ついにユニットとして動き出します。
強くなる敵に立ち向かうため、みなも・かがり・ながせの3人は合唱による力の融合を模索。
その中でリップル=みなもは「自分だけが足を引っ張っている」と苦悩を深めていきます。
そんな彼女にそっと寄り添ったのは、親友のなっち=陽ノ下なつ。
なっちの言葉と想いが、みなもの「初めての自己肯定」を導く鍵となりました。
一方、なっちが見せた意味深な表情も気になるところ。
今後の人間関係と戦いの行方に、大きな転機を感じさせる回でした。
リップル=みなもの葛藤と成長
なっちは私の1番の友達だよ😢🫂#プリオケ pic.twitter.com/r4eY1QMU7Q
— 「プリンセッション・オーケストラ」公式 (プリオケ) (@priorche_info) May 28, 2025
バンド・スナッチの脅威が増す中、対抗策としてユニットを組むことになったプリンセスたち。
普段からアリスピアでの活動に慣れているジールとミーティアは、特訓を自然とこなしていくのに対し、リップルはどうにも馴染めず苦戦します。
ユニット練習で浮き彫りになる「自信のなさ」
これまで他のプリンセスたちと比べ、どこか一歩引いた位置にいたリップル=みなも。
第8話では、ついに彼女がその内面と正面から向き合う展開が描かれました。
ジール=かがり、ミーティア=ながせと共に新たなユニットを組むことになったみなもは、慣れない練習についていくのが難しく、次第に疲弊していきます。
「人を応援すること以外、何もしてこなかった」
これまでの自分は「誰かを引き立てる」役割に甘んじてきたのだと、みなもは己を卑下します。
仲間たちと肩を並べて進むのではなく、一歩引いた場所で見守る自分。
そんな彼女が「ユニット」としての在り方に戸惑いを覚えるのは、当然のことだったのかもしれません。
「誰かの引き立て役」ではない、ユニットという関係
みなもの心をそっと支えたのは、陽ノ下なつ=なっちでした。
みなものようすに気づいたなっちは、自分の相談事を後回しにしてまで、彼女の話を丁寧に聞こうとします。
「たとえ話」として語られたみなもの悩みに、なっちはまっすぐな言葉で返しました。
たぶんね、みなもは足を引っ張ってなんかいないよ。ただちょっと、自分を出せてないだけ。
引用元:プリンセッション・オーケストラ第8話
と、やさしく本質を見抜いた言葉をかけます。
押しつけではなく、寄り添いながら言葉を選ぶその姿勢が、みなもの心に静かに届いていくのです。
「今度は、みなもが、みなも自身を応援してあげたらどうかな?」
なっちがみなもに伝えた
「今度は、みなもが、みなも自身を応援してあげたらどうかな?」
という台詞は、今話屈指の名言と言っても過言ではないでしょう。
誰かの背中を押すことが得意なみなもが、自分自身の背中を押してあげるという発想――そこに、ユニット活動の本質があります。
ユニットは誰かを立てるためのものではなく、全員が対等に輝き、支え合い、高め合っていくもの。
そうした関係性は、そのままみなもとなっちの間にも重なって見えます。
常に支えてくれるなっちに対して、みなもが今後どんなふうに向き合っていくのか。
その始まりが、この第8話だったのかもしれません。
なっちの「意味深」な表情と闇落ちフラグ?
なっちは第8話で、みなもを誰よりも気にかけ、そっと背中を押す立場に徹していました。
その一方で、その献身的な行動の裏には、彼女自身の何かを押し殺しているような空気も漂っています。
そんな彼女の変化を象徴するのが、物語終盤に映された、ある意味深な表情でした。
みなもを最優先する、なっちのやさしさ
第8話では、葛藤するみなもに寄り添おうとするなっちの姿が丁寧に描かれていました。
本来は、自身の路上ライブ再開について相談するために電話をかけたはずのなっちでしたが、その目的を後回しにしてまで、彼女の言葉に耳を傾けます。
その姿は「やさしさ」や「思いやり」として素直に受け取ることもできますが、一方で、どこか「みなもに過剰に執着している」ような印象すら漂わせます。
もしかすると、みなもを支えているようでいて、実はなっち自身の心も、みなもに支えられているのかもしれません。
だからこそ、夕暮れの帰り道で沈む陽に照らされたあの表情は、単なる「優しい幼馴染」の顔ではなく、何か複雑な感情を内に秘めた、別の一面を垣間見せたように思えました。
沈む夕陽とともに映された意味深な表情
特に印象的だったのは、みなもと別れた帰り道のシーンです。
日が沈みかける黄昏時、駆け出していくみなもの背中を、なっちは立ち止まって静かに見送ります。
赤く染まる光に照らされたその顔には、笑顔はなく、心の内を簡単には読み取らせてくれない静けさが漂っていました。
なっちは、みなもがプリンセスであることにすでに気づいているのではないか――
そう思わせるほどの観察力と繊細さを持つ一方で、「すべてを受け止めて笑っていられるほど強いのか?」という問いもまた、浮かび上がります。
あの一瞬、彼女の胸に去来したのは、抑え込んでいた想いの揺らぎだったのかもしれません。
やさしさと同時に、なっち自身の「弱さ」や「依存」が垣間見えるような、静かで意味深な余韻。
表情の演出が、このシーンに深みを与えていました。
抑圧された本音が、いつか爆発する日が来る?
これまで常に「支える側」であり続けたなっちが、今後どうなるのか。
第8話は、その方向性に一つの影を落としたようにも思えます。
みなもにとって太陽のような存在――だからこそ、彼女の「裏の顔」や「抑え込んでいる感情」がいつか反転する可能性があるのでは?
そんな「闇落ちフラグ」すら、ちらりと顔を見せ始めた回だったと感じました。
今後、なっちがどんな本音を語るのか。そしてそれは、ユニットやプリンセスたちにどんな波紋をもたらすのか。
今後の展開に、静かに不穏な期待が高まります。
新ユニット曲『TRIAD FORCE』と戦闘演出
第8話の戦闘シーンでは、新ユニット曲『TRIAD FORCE』がついにお披露目されました。
中でも「私は、私の背中を押してあげるんだ!」というリップルの決意の台詞は、まさに彼女の自己肯定の象徴。
これまで人を応援することばかりだった彼女が、初めて自分を応援することを選択をする。
その一歩を、楽曲と戦闘演出が力強く後押ししています。
『逆光のフリューゲル』を想起させる熱量とギャップ
注目すべきは、みなもがこの楽曲の出だしで主旋律を担当しているという点です。
これまで一歩引いた存在だった彼女が、歌の中心に立つという構図そのものが、精神的な成長を明確に示しています。
また、『TRIAD FORCE』の導入部は、どこか『戦姫絶唱シンフォギア』の『逆光のフリューゲル』を彷彿とさせます。
少女アニメらしいカラフルなビジュアルの中で、熱くドラマティックな楽曲が響くこのギャップこそ、本作が持つ独自の魅力と言えるでしょう。
さらに、「刮目せよ」といった語彙の選択も秀逸で、いわゆる女児向けアニメの枠を意図的に揺さぶるような演出が散りばめられていました。
戦闘力は向上? でもルーク撃破はまだ三人がかり
演出的には非常に盛り上がったものの、戦闘シーンそのものには現実的な制限も見えてきました。
今回は成体ルークを撃破することに成功しましたが、三人がかりでようやく、というバランスはこれまでと変わらず。
ユニットとしての連携が強まった証ではあるものの、「ジャマオックが複数で連携してきたらどうするの?」という不安要素も依然として残ります。
戦闘力の底上げは見えた一方で、根本的な戦力不足が解消されたわけではなく、今後の展開でさらなるパワーアップや新戦術が必要になる予感がします。
ドランPのプリンセス育成計画?
次は俺にやらせてもらおうかな#プリオケ pic.twitter.com/2pqIq8fweI
— 「プリンセッション・オーケストラ」公式 (プリオケ) (@priorche_info) May 26, 2025
第8話でも、バンド・スナッチ側に属するドランの妙に親身な姿勢が目立ちました。
成体ルーク戦での「そうだ。その力だ……!」という台詞からは、敵対勢力というよりも、どこかプロデューサー的な目線でプリンセスたちの成長を見守っているようなニュアンスが感じられます。
これは第5話でミーティアが覚醒した際にも見られた傾向であり、ドランは明らかに「敵として倒す」よりも「成長を引き出す」ことを優先しているように見えます。
ドランとベス、共謀か?分断か?
気になるのは、同じくバンド・スナッチ側にいるベスの動き。
彼もまた、第2話でプリンセスに対して個人的な感情を抱いているような描写がありましたが、第8話現在、ドランとの連携の有無は不明です。
ベスはドランの行動を把握しているのか? 協力関係にあるのか? それとも、内部的に立場や目的が異なる分断状態にあるのか?
組織としての一枚岩感が薄く、むしろ各自が思惑を抱えて動いているような印象すら受けます。
姿を見せないカリストと、蚊帳の外?のギータ
さらに不可解なのは、首魁カリストの存在です。
公式サイトで紹介され、コラボカフェにも姿を現しているにもかかわらず、未だ本編に登場しないカリスト。
彼がバンド・スナッチの「総意」を持っているのか、それともドランやベスに自由裁量を与えているのか、不明点は多く残されています。
まあ、なんにせよ、末っ子ポジションのギータは正直何も知らされてなさそうです。
この情報格差は、バンド・スナッチという組織のゆるさを感じさせ、今後の対立構造に変化が起きる可能性も。
まとめ|プリンセスたちの絆が動き出す中で
第8話は、みなもの自分を応援するという一歩が描かれた、まさに「自己肯定」がテーマの回でした。
なっちの支えがその背中を押した一方で、彼女自身の内に潜む影も垣間見え、ユニットの絆と個々の揺れが丁寧に交差しています。
さらに、ドランをはじめとしたバンド・スナッチ側の動きも静かに、しかし着実に進行中。
戦闘や楽曲も含め、物語は次なるフェーズへと歩みを進めつつあります。
果たして次回、プリンセスたちはどんなハーモニーを響かせてくれるのでしょうか。
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