『トライガン・スターゲイズ』第1話「Wandering Days」は、ロスト・ジュライから2年半後の世界を描く導入回。
600億$$の賞金首となったヴァッシュ・ザ・スタンピードは事件以来行方不明となり、物語は彼の不在から始まります。
一方、記者として成長したメリルは後輩のミリィとともに連続プラント強奪事件を追い、ミリオンズ・ナイヴズの影を感じ取っていました。
地球からの巨大移民船団接近の報せにノーマンズランドの人々は歓喜に包まれますが、その熱狂の裏側では不穏な気配もじわりと広がっています。
派手な展開は少ないものの、ロスト・ジュライ後の世界と物語の方向性を提示する、静かな序章といえる回だったと思います。
この記事は、
- 原作は終盤のみ読んでいる
- 旧アニメはリアルタイムで見たり見なかったり
- 大まかな設定などは把握
- 細部は全然知らない
という中途半端な人間が執筆しております。
- BD-BOX
- コンプリートブック(仮)
ザジの問いと、記者として成長したメリル
第1話で印象に残ったのが、ザジとメリルたちの会話でした。
ザジはメリルとミリィを「ビッグ・フォール」の残骸へ案内し、人に使われなくなったプラントはどうなるのかと問いかけます。
その答えは「死」。プラントは人間の管理下でないと生きていけない。
ザジは、ヴァッシュとメリル、そしてナイヴズも同じく「プラントが苦しんでいるのを見過ごせない存在」だと語ります。
しかし「見過ごせないとはどういうことか」と問われたメリルは、うまく答えることができません。
それでも彼女は「時間がかかっても、なるべく正しい道筋を進みたい」と言葉を絞り出します。
この場面は、メリルの成長がよく表れているシーンだったと思います。
かつて彼女は、育ちの良さから来る善良さで他者の尊厳を傷つける言動をすることがあり、それを先輩記者のロベルトから釘を刺される場面もありました。
ですが今のメリルは、脊髄反射的に綺麗事を語ろうとはしません。
プラントの亡骸を前にした場面では喉元まで出かかった憐憫を飲み込み、容易に答えを出せないと痛感しながら、それでも逃げずに「正しい筋道」考え続けようとしている。
その姿には、ロスト・ジュライ以降の経験を経て成長した彼女の覚悟が感じられました。
廃人となったヴァッシュと、彼を世話するホッパード
第1話のラストで明かされるヴァッシュの現在は、衝撃的なものでした。
ロスト・ジュライの首謀者として600億$$の懸賞金をかけられたヴァッシュは、事件以来行方不明となっていました。
そして物語の終盤、ようやくその姿が描かれます。
しかしそこにいたのは、かつての飄々とした青年ではなく、廃人と化したヴァッシュでした。
そんな彼のそばにいたのが、異形の巨体を持つ男ホッパードです。
極端に貧弱な下半身を車椅子に乗せた巨躯の怪物は、酒場でミルクを買い、岩場を這うように越えて住処へと戻ります。
そしてそこにいるヴァッシュを「エリクス」と呼び、甲斐甲斐しく世話をしているのです。
荒野の片隅で、異形の男が廃人の青年を世話している。
その静謐な構図には美しさすら感じられました。
正直「癖」っスね。
原作や旧アニメをぼんやり知っている身からすると、ホッパードは本来敵側のキャラクターだったはずなので、この関係性にも驚きました。
まだ第1話の段階では事情はほとんど明かされていませんが、なぜホッパードは彼を世話しているのか。
今後の展開が気になる導入でした。
OP・EDの明るさが印象的
もうひとつ印象に残ったのが、OPとEDの曲調でした。
第1期の内容を振り返ると、双子の悲痛な確執やロスト・ジュライなどかなり重たい状況で幕を閉じています。
それにもかかわらず、第2期であるSTARGAZEが、思いのほかポップな曲調で開幕したことに驚いてしまいました。
本編の作風とのギャップに、旧アニメ版のるろうに剣心を想起したのが正直なところ。
歌詞は物語の内容をある程度反映している分、るろ剣よりはずっといいですが。
いや、るろ剣のOPもあれはあれで好きでしたけど。あのちゃんの『ピカレスクヒーロー』も好きだよ。
EDも同様に、重苦しい余韻を引きずるタイプの曲ではなく、爽やかなバンドサウンドになっています。
この明るさが単なる作品の雰囲気作りなのか、それとも今後の展開と何か対比を作る意図があるのかはまだ分かりません。
ただ、ヴァッシュの曇らせに余念がなかった第1期の展開と地続きだと思うと、この明るさはどこか印象に残るものでした。
まとめ|第1話は静かな導入回
第1話は大きな事件が起きる回ではありませんでした。
移民船団の接近という希望。
連続プラント強奪事件という不穏な影。
そして壊れてしまったヴァッシュの現在。
そうした要素を静かに並べながら、これから始まる物語の方向性を示す導入回だったように思います。
本格的な物語の動きは、おそらく次回以降になるのでしょう。
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