プリンセッション・オーケストラ第26話感想|「対話」と「模倣」が交錯する──花の騎士と新たな戦いの予感

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第26話「絶刀佳人」は、赤の女王編の余韻を引き継ぎながらも、新たな幕開けを感じさせるエピソードでした。

ジャマオックの発生が止まらぬ中、プリンセスたちの前に現れたのは、異形の騎士・シンシア。

彼女は、逃がしてやったジャマオックを自ら倒して歌のカケラを奪い取るという、不可解な行動を見せます。

そして、新曲『リリカル・シグナル』に込められた「対話」のメッセージ、さらに新OPで示された「第三勢力」の存在――

プリンセッション・オーケストラは再び、「正義」「模倣」「対話」という三つのテーマを交錯させながら、世界の輪郭を描き直そうとしています。

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花の騎士シンシア|観測者のような存在

プリンセスの前に姿を現した花の騎士・シンシアは、プリンセスとバンド・スナッチの戦いを観測してきた存在のようにも見えました。

25話で彼女がジャマオックの「合体」をアップデートしていたことは、その証左です。

まるで、バンド・スナッチたちの戦術を学習し、最適化して再現しているかのようでした。

すみれとりりに繋がる線

ここで思い出されるのが、15話でのすみれの登場です。

プリンセス動画の無断アップロードが発覚したきっかけは、すみれが街中でその映像を視聴していたことでした。

偶然ではなく、「アリスピアの戦いを監視する立場」として配置されていたのだとしたら?

すみれと、同じくタブレットを常に持ち歩く謎の少女(字幕では「りり」と表示)は、1クール目の時点ですでに白の女王陣営にいた可能性が浮かび上がります。

「模倣の進化」としての花の騎士

今回、シンシアが歌のカケラを奪って使用した行動も、赤の女王やバンド・スナッチの「模倣の進化」と見れば筋が通ります。

プリンセスたちの戦いを観測し、彼女たちの技術と理想を「学習」しているようにも思えるのです。

それが、プリンセスの理想を脅かす「もうひとつの模倣」だとすれば――物語の核心に迫る要素になりかねません。

問われる「正義の一貫性」

問題は、もし彼女たちが敵だった場合、プリンセスたちはどうするのか。

「人間の少女」としての彼女たちに対しても、赤の女王やバンド・スナッチに向けたような正義を貫けるのか。

ここで問われているのは、25話の感想で言及した「正義の一貫性」です。

守る相手が「敵」に変わったとき、プリンセスは日和らずにいられるのか――

リップルの新曲『リリカル・シグナル』|「対話」という日和り

26話で突然お披露目されたリップルの新曲『リリカル・シグナル』。

タイトルの「リリカル(抒情的)」が示すとおり、この曲は彼女の「感情や想いを受け止める姿勢」を強調する内容になっています。

日和るなって言ったじゃん!!

「対話路線」への急旋回

「あなたが胸に秘めている思いを聞かせて。受け止めてみせるから」という内容の歌詞は、これまでの戦い方とは明らかに異なります。

どちらかといえば、対立する相手の心に耳を傾けることを肯定する内容であり、「ダメです悪は許さんです」というこれまでの姿勢からは大きな方向転換です。

現状では、花の騎士の正体がすみれとりりだとは断定できませんし、敵対者に向けた曲とも限りません。

しかし、2番の歌詞に「雪(フランス語でネージュ)」「薫る花(ニオイスミレ?)」とあるので、少なくとも新プリンセスの正体であろう彼女たちと対立する可能性があります。

敵が「人間の少女」になった途端に対話路線に切り替えるのだとしたら、それはご都合主義と言わざるを得ません。

もうひとつの「勇気」としての対話

美しい理想として見れば、「戦うだけのプリンセス」から「理解しようとするプリンセス」への進化。

しかし、25話で語られた「正義の一貫性」という観点から見ると、それは「日和り」にもなりかねません。

「敵が人間なら話を聞くの?」という問いがここで再び浮かび上がります。

「偽物の勇気」が描かれた25話に続き、26話では「対話の勇気」が提示されました。

ですが、その「勇気」がほんとうに公平で、誰に対しても同じように向けられるものなのかはまだ分かりません。

これが正義の成熟なのか、それとも都合のいい感傷なのか──

次回以降、プリンセスたちの言動がその答えを示すことになるでしょう。

新OPが示す第三の選択肢

26話で一新されたOP映像は、まるで「3クール目の地図」を先に見せられたかのような密度でした。

手を取り合うふたりの先代プリンセス。地球のソラミタワーらしき場所に立つ現プリンセスたち。そしてナビーユと思しき少年の背後に浮かぶバンド・スナッチの影。

断片的なカットの連続でありながら、「勢力の再編」や「新たな価値観の対立」を予感させる構成になっています。

第三勢力の誕生を示唆する映像

ヒト化ナビーユ(仮)とバンド・スナッチの共闘を思わせる描写は、プリンセスでもジャマオックでもない「第三の選択肢」を示唆しているように見えます。

もし彼らが「アリスピアの未来はアリスピアン自身が決める」という理念を掲げるなら、「アリスピアンの主体性」という問題が、ついに物語の表舞台に立つことになります。

それは、プリンセス=正義という構図を根底から問い直す展開の始まりかもしれません。

白の光をまとうナビーユ(仮)の行方

ただし、ヒト化ナビーユ(仮)のシルエットが白い光をまとっていた点は気がかりです。

白の女王陣営に属するのか、それともまったく新しい立場として登場するのか。

もし彼が「静寂」を理想とする白の女王の理念を体現しているのだとすれば、歌と感情によって世界を動かすプリンセスたちとは真っ向から対立することになります。

誇り高きバンド・スナッチへの願い

そして、忘れてはならないのがバンド・スナッチ。

彼らが「白」に与する姿は、正直に言って見たくありません。

たとえ洗脳といった設定が用意されていたとしても、あの誇り高いバンド・スナッチが自分の意志を失うのはあまりに哀しい。

もし再登場するのなら、誰かに利用されるためではなく、「アリスピアという構造そのものに異議を唱える存在」として立ってほしい――そう願わずにはいられません。

まとめ

第26話は、穏やかな日常の裏で再び世界が動き出す予兆を描いた回でした。

花の騎士・シンシアの登場は、プリンセスの正義を再び揺さぶり、物語に新たな火種を投じます。

すみれやりり、そして新プリンセスとの関係は依然として不明瞭ながら、1クール目からの伏線が静かに線を結び始めました。

そして新OPが示すのは、プリンセスでも女王でもない第三の存在の台頭。

平和のあとに訪れる静寂は、果たして安らぎなのか、それとも嵐の前触れなのか──

次なる戦いへの期待が高まります。

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