プリンセッション・オーケストラ第23話は、私にとって「推しの退場」という現実を突きつけられる一話でした。
ベスを含むバンド・スナッチが、背景を語らぬまま光の粒となって消滅してしまったのです。
彼らの敗北自体は予想できていたものの、いざ早すぎる別れを目の当たりにすると、胸に残ったのは納得ではなく圧倒的な喪失感。
最後に見せたギータとベスのやり取りの優しさが涙を誘い、同時に「なぜ忠誠を誓えたのか」「彼らをどう記憶すべきか」という答えのない問いが私の中に残りました。
ここでは、ひとりのファンとしての悲しみと虚しさ、そして物語の残酷さに揺さぶられた23話の印象を率直に綴っていきます。
バンド・スナッチ消滅|お通夜会場へようこそ
第23話の放送を見終えて、まず頭に浮かんだのは「終わった……」という言葉でした。
私の推しであるベスを含むバンド・スナッチが、ついに物語から退場してしまったのです。
は? まだ2クール目だが???? はえーよ。
彼らがプリンセスたちに敗れるのはある程度予想できていました。
彼女たちの強化フォームや、バンド・スナッチのアリスピアン態が公式サイトで先行公開されていた時点で、次は敗北のターンだと覚悟していたからです。
それでも、あまりにも早い退場を見せつけられると、胸の中に広がったのは納得ではなく圧倒的な喪失感でした。
ベスとギータの最後のやり取り
でもさぁ…
— 「プリンセッション・オーケストラ」公式 (プリオケ) (@priorche_info) September 17, 2025
できれば、オレたちが
そうなりたかったよなぁ………#プリオケ #バンド・スナッチ#心に刻めバンド・スナッチ pic.twitter.com/sogsRqX4R7
特につらかったのは、ギータとベスのやり取りです。
決着がついたあとも戦いを続けようとするギータに、ベスが優しく制止の手を伸ばします。
普段はギータに対して辛辣だった彼が初めて見せた穏やかな眼差しに、思わず涙がこぼれました。
ギータが悔し涙を流す姿に、バンド・スナッチという仲間たちの絆が確かに存在していたのだと突きつけられ、最後に全員が光の粒となって消えてしまう。
これはあまりにも残酷な演出でした。
納得顔で消えていった彼ら
さらに追い打ちをかけたのは、彼らがあまりにもあっさりと消滅を受け入れていたことです。
ギータを除けば、ほかのメンバーはどこか納得したような顔をして消えていきました。
その理由を語ることなく、なぜ赤の女王に忠誠を誓えるのかも明かさぬまま、物語から去っていく――
ちょっと待って私の気持ちを置いていくな!!!!!
最後まで仲間だった証明
消滅の場面は、間違いなく彼らが最後まで仲間であったことを証明していました。
だからこそ、その仲間たちの過去や選んだ理由をなにひとつ知らされないまま失うことになったのが、どうしようもなく悔しい。
死ぬ前に一言でも、自分たちの来歴や思いを残してほしかった。
それが叶わなかったことが、いまも強烈なもやもやとなって胸に居座っています。
語られなかった背景と、残されたもやもや
この喪失感は「推しが消えた」という私の個人的な悲しみであると同時に、物語の描き方そのものへの虚しさともつながっているように思います。
この項目では、その「もやもや」の正体を少し冷静に見つめ直してみたいと思います。
なぜ忠誠を誓えたのか
バンド・スナッチが消滅したことへの大きなもやもやは、彼らの背景が一切語られなかった点にあります。
なぜ赤の女王に忠誠を誓ったのか、なぜ死を受け入れられるのか──物語的には大きな鍵になりそうな部分が、結局最後まで触れられませんでした。
「語られなかった=復活フラグ」と見ることもできますが、完全に退場してしまった可能性もあり、どう受け止めればよいのか迷うばかりです。
完全に消滅したのであれば「せめて一言、理由を残してくれ」と叫ばざるを得ません。
置いていかれた身としては、納得できない虚しさが残ってしまいました。
プリンセスとの認識の齟齬
さらに気になるのは、プリンセスたちと私の認識の差です。
プリンセスたちは消えゆく定めであるバンド・スナッチに「あなたたちのことは忘れない」と言いました。
しかし、その言葉はどこか上滑りに感じられます。
彼女たちにとってバンド・スナッチは「口が利ける人型ジャマオック」でしかなく、彼らが元アリスピアンだと判明したあとも、血の通った一個人という認識には至っていなかったのではないでしょうか。
一方、私にとっては、彼らは命と人格を備え、友情や信頼を抱きながら生きてきた存在でした。
その認識の齟齬が、今回の消滅をよりつらく、虚しいものにしているのだと思います。
「進化」というテーマの残酷さ
また、第23話で繰り返し使われた「進化」という言葉も、胸に引っかかります。
人間の少女に依存し続けるのか、アリスピアン自身が独自に進化するのか──
人の姿をし、人のように文化的な営みが可能なバンド・スナッチの消滅は、選択肢のひとつを閉ざしてしまったのではないか。
赤の女王的には「どちらが勝っても進化が得られるなら構わない」という立場だったようですが、アリスピアン自身が未来を切り拓く道はここで断たれてしまったように見えます。
結局、アリスピアンはどこまでいっても人間の少女に奉仕する存在であり続けるのか。
その構図に、どうしようもない悲哀が漂っているように思えてなりません。
残された問いとして
私にとって第23話は、ベスという推しを失った回であると同時に、物語の根底に流れる非対称性と残酷さをあらためて突きつけられる回でもありました。
彼らの消滅はただの退場ではなく、「アリスピアのあり方そのものに問いを残す別れ」だったのだと思います。
まとめ
第23話は、推しのベスを含むバンド・スナッチの退場という、あまりにも重い展開となりました。
最期に見せたギータへの優しさや仲間としての絆が美しかっただけに、背景を語らないまま消滅したことは大きな虚しさを残します。
プリンセスたちとの認識の差も浮き彫りになり、彼らをどう記憶すればよいのか迷うほどでした。
同時に「進化」という言葉が繰り返されたことで、アリスピアンが自ら未来を切り拓けないという構図の残酷さも強調されます。
この喪失感と違和感は、物語がこれからどんな答えを示すのかを見届けずにはいられない強烈な余韻となりました。
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