プリンセッション・オーケストラ第17話感想|ふたつの「好き」をあきらめない、馳川はやての選択

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第17話では、いままでの空気感を揺さぶるような新しい演出が登場しました。

ジャマオックの成体が、奪ったミューチカラの持ち主の声で負の感情を語り出すという、これまでにない展開。

そこに込められていたのは、走ることと歌うこと、そのどちらも手放したくないひとりの少女の葛藤でした。

さらに、プリンセス・ジールが新曲と新必殺技を披露し、戦闘シーンでも大きな進化を見せます。

今回は、その内容を掘り下げつつ、今後の物語に与える意味を考えてみます。

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陸上部員・馳川はやての葛藤と選択

馳川はやては陸上部に所属する少女で、走ることに情熱を注ぎながらも、同時に歌うことにも心惹かれている女の子でした。

精彩を欠く彼女のことを、かがりはクラスメイトとして気にかけていたものの、その迷いの深さまでは掴めずにいます。

戦闘で露わになった心情

アリスピアで歌う少女たちを羨望のまなざしで見ていたはやてに目を付けたのは、バンド・スナッチのドランでした。

敵の出現を察知して駆けつけたプリセスたちは、倒れているはやてを発見。

ジャマオックの成体に立ち向かいますが、事態は一変します。

ジャマオックの成体が、奪ったミューチカラの持ち主――はやての負の感情を語り出したのです。

私は走ることが好き。全力で走ると風を切る音しか聞こえなくなって……目の前しか見えなくなって……頭が真っ白になる。それが好き。
でも、歌うのも好き。いつか、ステージの上で光を浴びて、思い切り自由に歌って、自分を解放したい

引用元:プリンセッション・オーケストラ第17話

どちらかを選ばなければならない、という二者択一の苦しさ。

その揺れ動く感情が、戦闘中の緊迫感と相まって強く胸を打ちます。

放課後の選択――「両立する道」を選ぶ瞬間

後日の放課後、かがりがなにも知らない体で声をかけると、はやては走ることと歌のどちらを選ぶか悩んでいたことを打ち明けました。

怪物に襲われて、もし両方ともできなくなっていたら――そう考えた瞬間、いままでの迷いが馬鹿らしく思えたと語り、こう結論づけました。

あたしはどっちも選ぶ。走ることも歌うこともどっちも諦めない。両方同じくらい頑張る。どっちが書けてもダメなの。だって、それがあたしの、あたしだけの『好き』なんだもん!

引用元:プリンセッション・オーケストラ第17話

その言葉にかがりは笑顔で応え、ふたりの絆がさらに深まる場面となりました。

選択するということ

第16話では、ながせのクラスメイトである田中まいが、「歌とダンスの両立か、ダンス一本か」というジレンマに向き合い、最終的にダンスに集中する道を選びます。

彼女の選択は「自分の好きなものに一途に向き合う」というものでした。

一方、はやては「どちらも捨てずにやる」という選択を取りました。

ふたりの対比は、「選ぶ勇気」だけでなく「両方を抱えて進む勇気」もある――どちらの道も尊重されうる、というメッセージを提示しています。

前回と今回で、ながせとかがりが「二者択一」に対してそれぞれ向き合いました。

残るはみなもですが、彼女はどのような「二者択一」を突き付けられ、どのような答えを示すのでしょうか。

プリンセス・ジールの新曲『Only Yours』と新必殺技の熱量

Spotifyで「Only Yours」を聞く

Youtube Musicで「Only Yours」を聞く

戦闘中、ジールが披露した新曲は『Only Yours』。

アコースティックギターを基調にした情熱的な応援歌で、『OVER THE BLAZE』のような、「守るための闘志」を前面に出したものとは色合いが異なります。

聞く者に、自分自身の情熱を信じて夢に向かって一歩踏み出す勇気を与える今回の歌は、はやての悩みに直接寄り添う内容で、歌が戦いの中で説得力を持つ瞬間を作っていました。

新曲に合わせて、ジールの必殺技も刷新。

新必殺技「ジール・ファイアクリティカル」は、長大な炎の剣で敵を切り裂く直接攻撃。

曲の熱量と直結した演出で、歌が持つ「守る力」が一撃となって現れる描写になっています。

また、炎の剣というモチーフは、はやての迷いを断つという意味合いも感じられました。

ジャマオックの新演出が示す今後

ジャマオックが、奪ったミューチカラの持ち主の「声」を吐露する演出は、かなり思い切った試みでした。

これにより、戦闘が単なる物理的対決から「心理の対峙」へとシフトする余地が生まれます。

持ち主の不安や葛藤がそのまま敵の言葉となって返ってくることは、プリンセスたちが相手の心情に直接対応しなければならなくなるという意味を含んでいます。

今回は、ふたつの夢の間で悩み苦しむ声でしたが、もしも妬みや嫉みといった他責的な負の感情だったら――?

今後、同様の手法が繰り返されるとすれば、プリンセス側の精神的負荷は確実に高まるでしょうし、物語のトーンがより深刻で複層的になっていくはずです。

そうした方向性は物語の成熟を示す一方で、ターゲット層への配慮も必要になるというバランス問題を孕んでいます。

まとめ|両方を貫く勇気が未来を広げる

第17話は、陸上と歌というふたつの情熱をどちらも大切にすると決めた、馳川はやての成長を描いた回でした。

前回の「ひとつを選ぶ勇気」との対比が鮮やかで、物語のテーマがより多面的に浮かび上がります。

ジールの新曲『Only Yours』と必殺技は、はやての決断に寄り添いながら戦いを熱く彩りました。

また、ジャマオックが持ち主の感情を語る新演出は、戦闘シーンを心理的にも深くしています。

ふたつの「好き」を抱きしめたまま進むという今回の物語は、我々にも自分の情熱を信じて進む勇気を問いかけてきます。

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