第9話のテーマは、ずばり「好き」。
みなもの配信チャレンジに始まり、推しとの出会い(未遂)やバトルまで、見どころがぎゅっと詰まった回でした。
ギャグのバランスが絶妙で、敵キャラ・ベスの意外な一面にも注目。
パロディや声優さんのアドリブも含めて、何度も見返したくなる1話でした!
誇張抜きでニコニコ動画で毎日見てました。バンド・スナッチかわいすぎんよ。
みなもの「お菓子作り配信」は失敗続き!?
第9話は、アバンからギャグ全開。
みなもが挑戦する「お菓子作り配信」が、まさかの失敗オンパレードで幕を開けます。
バターが飛び、ケーキが逃げる!コメディ描写が炸裂
みなもクッキング🩵#プリオケ pic.twitter.com/7ncWZ2YbUX
— 「プリンセッション・オーケストラ」公式 (プリオケ) (@priorche_info) June 2, 2025
趣味のお菓子作りを動画配信するという、みなものチャレンジ。
しかし緊張のあまり、開始早台詞は噛みまくり。
調理もままならず、室温に戻っていないバターの塊がボウルから勢いよく飛び出し、卵との混ぜ合わせもうまくいかずに生地はモロモロ。
なんとか焼き上がったパウンドケーキも、型を軽く落として焼き縮み防止を図ると、まさかのケーキが逃亡するというファンタジックなハプニングまで発生します。そうはならんやろ。
あまりのグダグダっぷりに撮影は中止。
ギャグ調のテンポと作画の勢いが相まって、思わず笑ってしまうシーンが続きます。
なっちの問いかけに見える「みなもの成長」
配信をやろうと思った理由を尋ねたなっちに、みなもが静かに返す台詞が印象的でした。
こないだ、なっちが言ってくれたんじゃない。私が自分のために何かすることを喜んでくれる人が、絶対いるはずだって。だから、私ももっと自分を出してみようかなって。
引用元:『プリンセッション・オーケストラ』第9話
この言葉は、第8話で芽生えたみなもの自己肯定感がしっかりと育っていることの証でもあり、成長したなぁと感じさせられるシーンです。
また、お菓子作り動画の配信というアイデア自体は、第6話の親睦会でながせが提案していたもの。
そうした伏線が自然に回収される構成にも、作品の丁寧さが感じられますね。
佐藤かえで登場!
第9話でついに登場した、みなもが推している人気配信者・佐藤かえで。
歌って踊って料理をこなす「クッキングアイドル」で、キュートさとバイタリティにあふれる存在です。
『アイ!マイ!まいん!』かな? と思ったら、公式がやりやがった。アイマイミーマインじゃないよ。もう。
アイ・マイ・ミーマイン!#プリオケ pic.twitter.com/K1bhJ3jAJg
— 「プリンセッション・オーケストラ」公式 (プリオケ) (@priorche_info) June 3, 2025
お菓子作りが趣味のみなもが憧れるのも納得(?)のキャラ設定ながら、その魅力は予想のはるか上をいくものでした。
接点は生まれず…イベント前にジャマオック襲来!
かえでのファンイベントに向かうみなもたちでしたが、無情にもジャマオックの襲来で会場は大混乱。
敢え無くイベントは中断され、結局みなもとの直接的な接点は生まれないままで終わりました。
みなもの憧れが言葉としてはっきり語られることはありませんでしたが、同じ「お菓子作り好き」としてのシンパシーや憧れの感情は台詞の端々から伝わります。
料理配信の先達であるかえでの存在は、お菓子作り配信で躓いているみなもにさまざまな示唆を与えるはず。
ここは今後の展開に期待したいところです。
オマージュ炸裂!制作陣の遊び心が全開
特筆すべきは、かえでのキャラを取り巻く明らかに狙った演出の数々。
ミューチカラを奪われた直後は倒れていたかえでですが、復活すると「八つ墓村スタイル」(頭に懐中電灯、両肩に弾倉ベルト)で戦場に乱入!
その鬼気迫る姿に、ギータすらドン引きして無言でフェードアウトするという、怒涛のギャグ展開が炸裂します。
その勢いは次回予告(という名の楽屋コント)にも続き、「バールのようなもの」を持って登場するかえでは完全にニャル子さん。
「這いよって」「クッキングCQC」や「うーにゃー!」といった台詞も飛び出し、やりやがった!! マジかよあの野郎ッ! やりやがったッ!
かえでのCVがニャル子さん役の阿澄佳奈、脚本が『這いよれ!ニャル子さん』の原作者・逢空万太という時点で、もう制作陣の遊び心が全力投球であることは明白。
ギャグとメタネタのバランスを崩さずに突き抜けてくるあたり、プリオケの懐の深さを感じます。
ギータの計画とリップルの「好き」の叫び
イベント会場を襲撃したバンド・スナッチのギータの狙いは、佐藤かえでのミューチカラ。
今回はただのミューチカラの収奪ではなく、「ビショップ」の成体化実験がメインです。
ギータはかえでが作ったお菓子に舌鼓を打ちつつも、「でも、もったいねえよなあ」と鼻で笑います。
かえでの「好き」を嘲笑するギータの言葉に、真っ先に怒りを爆発させたのがリップルでした。
「好き」に貴賤はない!
ギータの理屈では、歌やダンスはミューチカラが集まりやすいから価値があり、それ以外の活動は無駄なもの。
そんな価値観を突きつけられたリップルは、「好き」に優劣なんてない!と正面から反論。
歌だって! ダンスだって! お菓子作りだって! 誰もが心から楽しんでやってるの! あれがよくて、これがだめなんて、他人が決めることじゃない! みんなが生きるこのアリスピアに無駄なことなんて、ひとつもないんだから!
という台詞には、彼女自身のこれまでの経験と成長、そして「好き」を貫く覚悟がにじんでいました。
このリップルの言葉にギータが激しく反応したのも印象的。
一見、ただの逆上にも見えますが、もしかするとこの言葉が、ギータ自身の過去や「アリスピアの闇」に触れるものだったのかもしれません。
ギータの怒りの理由は?
今回のエピソードでもうひとつ気になるのは、ギータが自身を「アリスピア関係者」と名乗ったこと。
これは一種のメタ発言なのか、それともかつてアリスピアにいた存在――つまり「元アリスピアン」であり、今の立場になった理由がアリスピア側の排除や迫害だった可能性もあります。
もしそうだとしたら、リップルの言葉に対するギータの激昂は、かつて自分の「好き」を否定された過去に起因していと考えられます。
アリスピア社会の中で、役に立たないとされた「好き」捨てることを強いられた経験があるとすれば、リップルの真っ直ぐな言葉は彼の逆鱗に触れて当然でしょう。
今後、「好き」を守るプリンセスたちと、「好き」に傷つけられた敵幹部との対比が、物語の鍵になるのかもしれません。
ベスの「好き」と敵側キャラの掘り下げ
第9話では、敵側の一員であるベスの「好き」にもスポットが当たり、ギャグとかわいさが同居した絶妙な描写が印象的でした。
ギータがかえでをターゲットに定めた際、ベスが珍しくも難色を示します。
ドランに、「お前は昔っから甘いものが好きだったなあ、って思ってさ」と指摘されると、図星だったのか
冷静を装いつつも早口震え声になるベス。
そう。ベスはお菓子作りをしている女の子の邪魔をしたくないのです!
さらにギータが「公私混同ってか!?」と混ぜっ返すと、「私はもう関与せん!」とすねて姿を消してしまいました。
かわいいかよ。
なんだ? かわいいな? あざといな? このアニメは私をどうしたいんだ?
敵と主人公が「お菓子作り」というテーマでゆるくつながる構図は、単なる善悪対立を超えた関係性の布石にも見えますね。
かわいさ炸裂!あんドーナツとベスの素顔
私はドーナツはプレーンシュガー以外認めん#プリオケ pic.twitter.com/WR2SqqdHbC
— 「プリンセッション・オーケストラ」公式 (プリオケ) (@priorche_info) June 5, 2025
ギータが戦闘に敗れ、本拠地へ戻ってきたシーン。
ご機嫌取りの手土産として買ってきた(買ってきたのか? どうやって?)のが、人気のあんドーナツ。
ベスは「私はドーナツはプレーンシュガーしか認めん」と文句を言いつつも、しっかり最後まで食べ続けていて、そのようすがもう、とにかくかわいい。
声優さんによるアドリブと思しき「うまっ」「うまいな」「やらんぞ」と小声で入る台詞がこれまたキュート。
なんかもうさっきからかわいいしか言ってないですけど、9話の総評は「ベスかわいいよベス」なので仕方がないです。あきらめて。
そして、ドーナツで思い出すのが、主人公・みなものスマホケース(スマホカバー?)。
インターネットを通じてアリスピアと地球を行き来する都合上、たびたびスマホが映るのですが、みなものスマホケースにはドーナツが描かれています。
ベスとの間にどこか「好き」でつながる伏線があるようにも感じられます。
「お菓子作りを成功させたい主人公」と「お菓子作りの邪魔をしたくない敵」――ベスは今後、物語の大きな分岐点になる可能性すらあるキャラクターです。
バンド・スナッチのリーダー・カリストついに登場!
そしてついに、バンド・スナッチの首魁らしき人物・カリストが本格登場。
優雅さを感じさせる立ち姿と鷹揚な口調で初登場シーンを飾った……はずが、ベスがずーっとあんドーナツをもぐもぐしていて、緊張感がゼロに。締まらないなあ。かわいい。
幹部3人とリーダーの距離感が不明ですが、ベスの無礼な態度から、上下関係があるわけではなく対等な感じだと推測されます。あるいはリーダーのことを舐めくさっているか。
今のところカリストが「完全無欠なシリアス系」なのか、「おもしれー男」なのか未知数。
次回以降の言動や、ほかのバンド・スナッチのメンバーとの絡みに注目です。
アリスピアと人間界の接点に深まる謎
今回のエピソードでは、「アリスピア」という異世界と地球とのつながりについて、興味深い示唆がいくつも描かれました。
それは単なるファンタジー的な舞台装置ではなく、作品の根幹に関わる大きな伏線かもしれません。
「なんやかんやで」ネット投稿できるアリスピア
まず引っかかるのは、アリスピアで撮影・編集された動画が、地球側のインターネットにアップロードされ、普通に視聴できているという点。
その仕組みについて、ナビーユは「なんやかんやでそうなるんだろうけど……」としか説明しませんでしたが
――これはどう考えてもおかしい。
一見ギャグっぽく見えるやり取りですが、「なんやかんや」というあいまいな言葉は逆に不気味さを感じさせます。
技術的、あるいは魔法的なシステムがあるのか?
それとも、ナビーユが何か意図的に隠しているのか?
アリスピアという世界そのものが、もっと複雑な構造を持っている可能性が浮かび上がります。
増え続ける「人間の女の子」訪問者
さらに不可解なのが、アリスピアを訪れる「人間の女の子」が近年になって急増しているという事実。
劇中では軽く言及されただけですが、これは重大な伏線ではないでしょうか。
そもそもなぜ女の子ばかりが呼び寄せられているのか?
そして彼女たちはなぜ、アリスピアでアイドル活動やお菓子作りといった「好きなこと」を追求するようになるのか……。
アリスピアンもミューチカラを求めている?
アリスピアではミューチカラが強い力を持っています。
当初は敵だけがその力を欲しているように描かれていましたが、今回の描写を見ると、アリスピアンたち自身もそのエネルギーを摂取しているのでは? という疑念が生まれます。
実際、アリスピアンは人間の女の子が喜んでくれることを喜びとしている、というような台詞もありました。
それが単なる善意なのか、それとも「ミューチカラを得るため」の一環なのか。
もし後者であるなら、バンド・スナッチだけでなく、「善良な」アリスピアンたちですら、感情エネルギーの収集に関わっていることになり、物語の根幹を揺るがす展開が待っているかもしれません。
まとめ|女の子の「好き」は、無敵なんだ
第9話は、みなもの成長や熱い想い、そして敵キャラ・ベスのかわいすぎる一面まで、「好き」をめぐるドラマが詰まった一話でした。
お菓子作りというテーマが、主人公から敵キャラにまでつながる構成は見事で、ただのギャグ回にとどまらない深みがあります。
オマージュやパロディ、声優のアドリブなど、何度も見返したくなる遊び心も満載。
さらに、アリスピアの謎や敵側の背景もにじみ出てきており、今後の展開からも目が離せません。
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